【解説】パソコンがウイルス感染したかも?確認方法と対処法
今回は、パソコンやスマホがウイルス感染したかも…と心配になったときにチェックしたいポイントと、本当にウイルスが検出された場合の対処法をあわせてご紹介していきます。
ウイルス感染の防止に効果的なセキュリティソフトもいくつかピックアップしましたので、ぜひ参考にしてくださいね。
NPO法人ⅠT整備士協会 理事
その後、会員サポート事業の責任者として全国からの様々なIoT機器サポート対応を行うコンタクトセンター事業の立ち上げと運営に従事し、デジタル機器サポートのスキーム構築にも9年間携わる。
また特定非営利活動法人 IT整備士協会の理事として、中小企業のDX化を促進するため法人向けの新たな資格制度を構築。
あからさまな警告は不正アプリ(ソフト)をインストールさせるための手口です。
最近よく見るウイルス感染の警告画面。これ実は感染してないんです。
まずみなさんに押さえておいていただきたいのが、最近流行している「ウイルスに感染している可能性があります」という警告のほとんどは、まったくのデタラメだということです。
警告が出ても実際にウイルス感染しているわけではなく、画面の指示に従って操作していくと「これをダウンロードすればウイルスが駆除できますよ!」と、アプリ(ソフト)のインストールを勧められます。
スマホのブラウザーに突然ウイルス感染メッセージが! ネット広告経由で拡散する偽警告に注意 -INTERNET Watch
つまり、ウイルス感染の警告は、このアプリのダウンロード画面へみなさんを誘導するために表示されている「罠」だというわけですね。
よくある事例は?
ニセのウイルス感染警告は、主に次のどちらかのパターンで表示されます。
それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
1. ブラウザの画面に表示される
ブラウザで何らかのリンクをクリックした際に、次の画面でいきなり警告が表示されるパターンです。
警告文の中に自分が使用しているパソコンのOSやIPアドレスが記載されていることもあり、「すでに情報が抜き取られているのでは…」と恐怖心を煽るようなケースや、「Microsoft」「Windows」といったロゴを不正に使用して、さも正規のウイルス対策であるかのように見せかけている悪質なケースもあります。
2. ポップアップダイアログで表示される
こちらもブラウザでネットを見ているときに表示されるパターンですが、ポップアップダイアログで出てくるところが先ほどとは違います。
ダイアログを閉じようにも「閉じる」ボタンが用意されておらず、「お使いのパソコンにセキュリティの脆弱性があります。OKをクリックし、説明に従って操作してください」と、強制的に次の画面へ誘導されることもあります。
本当にウイルスには感染していないの?
これらのパターンに共通するのは、「ブラウザで警告が表示される」というポイントです。
本来、「ウイルス感染の疑いがありますよ」と警告を出すのは、セキュリティソフトの仕事です。
そもそもブラウザにはウイルスをスキャンする機能はないので、ブラウザから警告が出ている時点で偽物だと見抜くことができます。
つまり、実際にはウイルスには感染していません。
最近はスマホでの被害がとても多い
このような偽物の警告画面は、パソコンだけでなくiPhoneやAndroidなどのスマホにも表示されることがあります。
特に最近ではスマホの被害が増えてきており、スマホではより気軽にアプリのインストールをしやすいということもあって、誘導先のアプリを実際にダウンロードしてしまう人も多いようです。
PCは金銭を要求してくるものが多い
誘導先のアプリをダウンロードすると、一体どうなるのでしょうか。
こんなにややこしい手順を踏んでダウンロードさせようとしてくるアプリですから、やはり不正なアプリである可能性が高く、そのアプリ自体がウイルスであったり、端末に保存されている個人情報が盗まれたりする恐れがあります。
特にパソコンでは金銭を要求されるケースも多いので、絶対に支払わないように気を付けてください。
この画面が出てきたときの対処法
自分のパソコンのIPアドレスなどが画面に表示されていると、怖くなって思わず指示通りに操作してしまいそうになることもあるかもしれませんが、大切なのは焦らず冷静に対処することです。
すでにご紹介してきたように、ウイルス感染の警告画面自体は偽物なので、警告が表示されてもとにかく「無視」しましょう。
「何もせずブラウザを閉じる」のが1番の対処法です。
ウインドウが閉じない場合は?
悪質なケースの中には、ウインドウの閉じるボタンを押しても画面が閉じないものもありますが、そんなときにはタスクマネージャーを起動し、強制的にブラウザを終了させることで対処することができます。
1. 「Ctrl + Shift + Esc」キーを同時に押して、タスクマネージャーを起動します。
2. プロセスタブに表示されているプログラムの一覧から使用中のブラウザを選択し、「タスクの終了」ボタンをクリックします。
心配ならウイルススキャンを
基本的には以上の対策で十分ですが、心配な方は本物のセキュリティソフトでウイルススキャンを実行しておくとさらに安心です。
おすすめのセキュリティソフトは、また後ほど改めてご紹介します。
\ 諦める前に、プロに相談!/
パソコン修理のサポート内容を見る自分のパソコンが感染したと思ったら
ここからは、本当にパソコンがウイルス感染したかもしれない…!というときの確認方法と、対処方法をあわせてご紹介していきます。
当てはまる?ウイルス感染の症状リスト
まずは、みなさんが「これってウイルスの仕業?」と思っている症状と、実際のウイルス感染の症状に共通点があるかどうかを、チェックリストで確認していきましょう。
・勝手に再起動を繰り返す
・自分で作った覚えのないファイルが増えている
・ファイルの拡張子が変更されている
・特定のファイルやフォルダが開けない
・知らない間にメールが送信されている
・メールの管理画面や会員制のサイトにログインできない
・ブラウザのブックマークやツールバーが変更されている
・何もしていないのにブラウザのウインドウが開く
・パソコンの動作が全体的に重い
当てはまるものはありましたか?
中には「気のせいかな?」と思ってしまうような症状もあるのですが、複数の項目が当てはまっている場合は、それだけ実際ウイルスに感染している可能性も高くなります。
気のせいで片付けて放置しておくと、いつの間にか取り返しのつかないことに…なんていう事態も招きかねないので、違和感を覚えたときにすぐ次の確認方法を実施しておきましょう。
ウイルス感染の確認方法
パソコンがウイルスに感染すると、先ほども挙げたような様々な症状が現れますが、こういった症状からウイルス感染が疑われる場合は、次の方法で実際に感染しているかどうかを確認することができます。
いくつかご紹介していきますので、試せるものからチェックしてみてください。
セキュリティソフトでウイルススキャンを実行する
すでにセキュリティソフトをインストール済みのパソコンなら、手動でウイルススキャンを実行するのが1番確実です。
スキャンの結果ウイルスが検出されても、ソフトの手順に従っていけばそのままウイルスを駆除するステップに進むことができるので、慌てず落ち着いて対処しましょう。
具体的な対処方法については、また後でも詳しく解説します。
Windows Updateを実施する
セキュリティソフトをインストールしていない場合は、Windows Updateが実施できるかどうか試してみることでウイルス感染を確認することもできます。
というのも、最近のウイルスは自分が駆除されるのを防ぐため、ウイルス対策ソフトのインストールやWindows Updateを妨害することが多いのです。
Windows Updateが実施できない場合、高確率でウイルスに感染していると考えて良いでしょう。
パソコンのアクセスランプを確認する
一般的なパソコンには、ハードディスクなどの記憶装置にデータを読み書きしていることを示す「アクセスランプ」というものが付いています。
このアクセスランプが点滅していると、パソコンが何かしらの処理を行っているというサインでもあるのですが、ウイルスに感染したパソコンでは、自分が何もしていないときでもランプがチカチカ点滅することがあり、この状態が続けば続くほどウイルス感染の疑いも濃くなります。
ただ、アクセスランプはパソコンの起動時にも頻繁に点滅を繰り返すため、ランプでウイルスの確認をする際には、次の条件を揃えてからチェックするようにしてください。
・自分では何のアプリも立ち上げていない状態
この状態でもアクセスランプがチカチカしている場合は、ウイルスが何らかの悪さをしている可能性が高いです。
ウイルスのせいでアクセスランプが点滅するのは、ウイルスがパソコン内のデータを勝手に書き換えていたり、ネットを通して他のパソコンにも影響を与えようとしたりしているからなので、放っておくとどんどん被害が拡大します。
被害を最小限にとどめるためにも、早めにウイルスの存在を突き止め、次のステップに進みましょう。
ウイルス感染の対処方法
ウイルスに感染していることが分かったら、基本的にはセキュリティソフトの指示に従ってウイルスの駆除を行います。
しかし、ソフトでのウイルス駆除は失敗してしまうこともあるため、その際はパソコンを一旦出荷状態までリセットする「リカバリー」が必要です。
また、セキュリティソフトをインストールしていない場合はソフトのダウンロードから試す必要がありますが、ウイルス感染しているパソコンでは正常にインストールが完了しないこともあり、その場合も最終手段はリカバリーになります。
いずれにせよリカバリーするとなると、パソコン内のデータがすべて削除されてしまうため、事前にデータのバックアップを取っておかなければなりません。
その際バックアップデータの中にウイルスが残ってしまうこともあるので、自分での対処が難しい場合はパソコンの修理店に相談しましょう。
弊社でもウイルス除去のサービスを行っておりますのでぜひご相談ください。
\ 諦める前に、プロに相談!/
パソコン修理のサポート内容を見るおすすめのセキュリティソフト
日頃からウイルス感染を予防する1番の方法は、セキュリティソフトを導入することです。
今回は、セキュリティソフトを使うのが初めての方にも扱いやすいソフトを中心にピックアップしてみましたので、みなさんもぜひ取り入れてみてくださいね。
※セキュリティソフトは複数起動していると、機能が競合して不具合を起こす可能性があるので、インストールするセキュリティソフトは1つだけにしましょう。
1. ウイルスバスター クラウド
ウイルスバスターは、国内シェアナンバーワンの定番セキュリティソフトです。
操作がシンプルで使いやすいことに加えて、困ったときのサポートもしっかりしているので、初心者でも安心して利用することができます。
肝心のウイルス検出率も99.9%を誇っており、性能の高さで選びたい人におすすめです。
気になる価格は、3台までインストール可能なライセンスが1年間で5,380円(税込)。
より割安な2年版・3年版もあり、公式サイトでは30日間の無料体験版もダウンロードできますよ。
・1年版:5,380円/3台
・2年版:9,680円/3台
・3年版:12,780円/3台
2. ノートン
ノートンも、スッキリとした使いやすい管理画面に定評があり、初心者におすすめのセキュリティソフトです。
他のソフトに比べて多機能で、その上1台分のみで良ければ1年版が3,218円(税込)からとリーズナブルなので、まずは1台試してみたいというときにも導入しやすいでしょう。
・1年版(Windowsのみ):3,218円/1台
・1年版(Macも対応):3,488円/1台
・1年版:5,918円/3台
・2年版:12,182円/3台
・3年版:16,619円/3台
※その他、5台までインストール可能な製品もあり。
3. アバスト
アバストは、必要最低限の機能のみを備えた無料版があるところが最大の特徴で、無料ソフトの中では最も有名なセキュリティソフトのひとつです。
無料でもウイルス検出率は99.2%と申し分なく、会員登録なしで利用できるところも嬉しいポイントです。
無料で使用できるのは嬉しいですが、有料ソフトと比べると機能がかなり制限されており、ウイルスの検出だけできるソフトがほとんどです。なので、スパムメールチェックやファイアウォール(不正アクセスがないかを監視するシステムのことです)、Webフィルタリングが使用できないため、ウイルスの脅威から完全に防ぐことはできません。
さらに、実際にウイルスに感染してしまった場合、有料ですと電話などのサポートがあるのですが、無料の場合はサポートを受けることができません。
以上のことから、無料ソフトよりも有料ソフトを導入することをおすすめします。
無料
※多機能・広告なしの有料版もあり。
※料金はすべて、2017年11月21日時点のものです。
ウイルス感染には冷静な対処を!
自分のパソコンの挙動がおかしい、ウイルスに感染したかも!?と思うと、ついつい焦ってしまう気持ちも分かりますが、実際にはウイルスに感染していないケースもあるため、冷静な見極めが必要です。
もし本当にウイルス感染が疑われる場合も、今回ご紹介した確認方法と対策を実践すれば、スムーズに対処することができます。
また、自分の手には負えない…と感じるときには、修理店に相談し、プロの手にお任せすることも方法のひとつです。
ウイルスの多くはネットを介して個人情報を盗んだり、他のパソコンにも感染を拡大したりしようとするので、ひとまずパソコンをネットワークから切断しておくだけでも被害を食い止める効果はあります。
今回ご紹介した内容を参考に、ぜひみなさんもウイルス感染には落ち着いて対処してみてくださいね。
ウイルスに感染したパソコンの修理事例
パソコン修理EXPRESSではウイルスに感染したパソコンの修理事例も多数ありますので、その事例についてをご紹介します。
修理事例1
パソコンが起動しなくなったという症状でお困りの方からのご依頼です。
パソコンが起動しない原因は内蔵HDDの物理的な故障でしたが、その他に複数のスパイウェアに感染していました。
そのため、駆除を行いウイルス検索を実施し、各種ソフトウェアのアップデートを行い、再感染のリスクを低減させました。
修理事例の詳細については以下のページでご紹介しています。
修理事例:東京都小平市 デスクトップパソコンが起動しない/ソニー(VAIO) Windows 8.1/8
修理事例2
プリンターで印刷が出来ずにお困りのお客様からご相談頂いた事例です。
症状を聞いたところ、ドライバーをアンインストールしてからインストールができないとのことでした。
そこで詳しく診断した結果、マルウェアの感染が原因でインターネットの回線が著しく遅くなり、ドライバーのインストールが出来ない状態でした。
そこで、ルーターの再起動・マルウェアの削除・システムのクリーンアップを行なったところ、ドライバーの再インストールができるようになりました。
修理事例の詳細については以下のページをご確認ください。
修理事例:東京都大田区 ノートパソコンからプリンター印刷できない/レノボ Windows 10
修理事例3
ノートパソコンがウイルスに感染したかもしれないという症状でお困りのお客様からの事例です。
症状を確認したところ、起動時にMicrosoft Edgeにフィッシング詐欺サイトが張り付いてしまった状態でした。
そこで、Microsoft Edgeのリセット、ウイルススキャンをかけて削除を実施しました。
その結果、インターネット使用時に同じ現象が再発しないことを確認しました。
修理事例の詳細は以下のページをご確認ください。
修理事例:東京都大田区 ノートパソコンがウイルスに感染した/DELL(デル) Windows 10
この他にもウイルスや迷惑ソフト等の修理事例は多数ございます。
もしも同じような症状・トラブルでお困りの際はいつでもお気軽にご相談ください。
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