ノートパソコンが水漏れした際の対処手順と絶対にしてはいけないことを解説
PCは精密機械なので、少しの水濡れでも故障してしまう危険がある上に、こぼしたものが純粋な水ではなく糖分の入ったジュースなどの場合、状態はさらに悪化する可能性があります。
水没させてしまったのが直近のことではなくても、過去の対応が現在のPCの不調につながっていることもあります。
今回は、PCに水をこぼしてしまったときの正しい対処法を詳しくご紹介していきます。今まさに水濡れで困っているみなさんはもちろん、以前の対応が間違っていなかったか心配なみなさんも、ぜひ参考にしてくださいね。
NPO法人ⅠT整備士協会 理事
その後、会員サポート事業の責任者として全国からの様々なIoT機器サポート対応を行うコンタクトセンター事業の立ち上げと運営に従事し、デジタル機器サポートのスキーム構築にも9年間携わる。
また特定非営利活動法人 IT整備士協会の理事として、中小企業のDX化を促進するため法人向けの新たな資格制度を構築。
ノートパソコンの水濡れの正しい対処手順
まずは、PCに水をこぼしてしまった直後に行うべき初期対応の手順からチェックしていきましょう。
手順1:何はともあれ電源を落とす
PCの内部に液体が入ってしまった場合、電気がショートしてパーツが破損したり、大切なデータが飛んでしまったりする危険があります。
これを防ぐためにも、すみやかにPCをシャットダウンし、正常な手順でシャットダウンできないときには電源ボタンを長押しして強制終了させましょう。
手順2:電源ケーブルを抜き、バッテリーも取り外す
完全に電気を絶つために、コンセントから直接電源ケーブルを繋いでいる場合はケーブルを抜いておきます。
ノートPCの場合は本体に搭載されているバッテリーからも電源が供給されてしまうので、バッテリーもあわせて取り外してください。
ただし、ノートパソコンにはバッテリーが取り外せるタイプとパソコン内部にバッテリーが内蔵されているタイプがあります。
前者の場合はご自身で取り外しても問題ありませんが、後者の場合少しのミスで内部の配線が断線してしまう可能性もあるので専門の修理店に作業を任せるようにしましょう。
その他、マウスやUSBなどパソコンに接続されている周辺機器も忘れずに取り外しましょう。
手順3:表面の水分を軽く拭き取る
電源周りの応急処置が完了したら、なるべく柔らかいタオルでPCの表面についている水分を優しく拭き取ります。
力強くこすって部品を傷つけないようにご注意ください。
また拭き取り作業の際は水気のある場所や湿度の高い場所をできるだけ避けましょう。
手順4:キーボード面を下にしてタオルをあてる
こぼした水がごく少量ならここまでする必要はありませんが、大量の水がかかって文字通り「水没」してしまった場合は、ノートPCのキーボードの上に柔らかいタオルをあて、そのままタオルが下にくるようにPCをひっくり返しましょう。
その状態でしばらく置いておくことで、PC内部に入ってしまった水分をタオルで受け止めることができ、マザーボードなどの基板に水分が浸透するのを防ぐこともできます。
手順5:パソコン修理店に相談する
以上の初期対応をひと通り終えたら、パソコン修理店に連絡を行いましょう。
パッと見は水分が乾いて元通りになったように見えても、乾燥することによって飲み物の成分がパーツにこびりつき、錆びや腐食を発生させてしまう可能性があります。
その結果PCが故障してしまうリスクも高くなってしまうので、こぼした飲み物に糖分や塩分が含まれていた場合は特に、PC内部の洗浄が必要不可欠です。
糖分などが入っていないブラックコーヒーやお茶をこぼしたケースでも、純粋な水以外の場合はパソコン修理店に相談することをおすすめします。
当店では年中無休でお客様からのトラブルを受付しておりますので、このような水漏れトラブルにもスピーディに対応可能です。出張・店舗持込・宅配からお客様のご都合にあった修理方法をお選びいただけますので、ぜひ一度ご相談ください。
\ 諦める前に、プロに相談!/
パソコン修理のサポート内容を見る水没・水濡れの際に絶対にしてはいけないこと
続いて、ノートPCが水没してしまった際に絶対に行ってはいけない、NG例もあわせてチェックしていきましょう。
通電する
PCが水濡れした際に何より避けなければならないのは、通電することです。
初期対応でもまず1番にPCの電源を切ることをご紹介していますが、その後「そうだ!今のうちにデータのバックアップを取っておかないと……」と思い立ち、再度電源を入れてしまう人も決して少なくありません。
PCの中にまだ水分が残っている状態で電源を入れると、電気がショートして基盤がダメージを受けることにより、データ損失のリスクは逆に高まってしまいます。
パソコン修理店に相談すれば、安全な状態までPCを復旧させた上でデータの取り出しも依頼することができますので、大事なデータを無事救出するためにも焦って通電するのは絶対にやめましょう。
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パソコン修理のサポート内容を見るドライヤーの温風をあてる
濡れたPCを早く乾かしたいからといって、ドライヤーの温風をあてるのは非常に危険です。
温風の熱によりキーボードなどのパーツが溶け、変形して使い物にならなくなってしまいます。
内部のパーツも含め、PCを構成する部品のほとんどは熱に弱く、温風をあてることがさらなる故障を招く原因になることもあります。
また、温風ではなく冷風や送風ならドライヤーを使っても大丈夫なのかというと、それも一概に問題ないとは言えません。
ジュースやスープなどをこぼしてしまった場合、急速に乾燥させてしまうことで液体の中の糖分や塩分が余計に固くこびりついてしまいます。
純粋な水以外の液体をこぼしたときには、あえて濡れタオルなどで保湿状態をキープしておいたほうが、パソコン修理店に駆け込んだあとの対処がスムーズに進む場合もあるのです。
こういったパターンがあることを考えても、すでにご紹介した初期対応を済ませたあとは無理に自分で対処しようとせず、当店のようなパソコン修理店にお任せいただくことをおすすめします。経験豊富なプロがお客様のパソコントラブルに迅速に対応いたします!
パソコンを分解する
PCの中に入ってしまった水分を拭き取りたい一心で、パソコンを分解してみようと思う人もいらっしゃるかもしれません。
しかし、PC内部のパーツはとても繊細で取り扱いが難しい上に、下手に触ってしまうことで部品に傷が付いたり、感電してケガをしてしまったりする危険もあります。
自力で行った分解作業がハードディスクにダメージを与え、保存したデータの復旧を難しくするリスクもあるため、内部の状態が気になるときにはプロの手できちんと確認してもらいましょう。
ゴシゴシと拭く
先ほどもお話したように、PCのパーツはとても繊細です。
強い力を込めてゴシゴシ拭くと、部品が破損する恐れがあります。
表面についた水分を拭き取る際にはあくまでも優しく、慎重に作業を進めてください。
冷蔵庫に入れる
PCが水濡れしたときには、乾燥させるために冷蔵庫に入れておいたほうが良いという話を聞いたことがある人もいるかもしれませんが、PCは急激な温度変化に弱いです。
冷蔵庫から取り出したあとで結露が発生し、余計に水濡れの被害が広がってしまうこともあるので、PCを乾かすために冷蔵庫を利用するのはやめましょう。
水没・水濡れの予防方法
最後に、今後の水没・水濡れ被害を防ぐために行っておきたい対策をまとめてピックアップしてみました。
PCの近くにはなるべく飲み物を置かない、飲んだらすぐにフタができる容器を選ぶなど、基本的な対策とあわせてぜひ取り入れてみてくださいね。
防水カバー・防水シートを利用する
手軽にできる水濡れ予防としては、キーボードの表面にかぶせることができる防水カバーや、画面を保護する防水シートなどの防水グッズを利用するのがおすすめです。
フリーカットタイプのキーボードカバーなら、どんなサイズやキー配列にも対応することができ、透明でぴったり貼り付けることができるので、操作性もそこまで大きくは損なわれません。
ノートPCを持ち歩くことが多い人は、持ち運び用に防水のPCケースを検討するのも良いでしょう。
防水カバー・シートとあわせて一般的な家電量販店で購入することができます。
防水に対応した機種を選ぶ
飲み物を片手にPCを開くことが多いなら、次回のPC買い替えの際に始めから防水タイプの機種を選んでおくとより安心です。
一般的な機種よりは少し価格が高額になってしまうものもありますが、防水性能のレベルは機種によって様々なので、自分がどの程度の水濡れに備えたいのかも考えながら比較検討してみましょう。
保険に加入しておく
ノートPCの水没・水濡れは、通常のメーカー保証の対象外となっていることがほとんどです。
しかし、希望すれば水没・水濡れの際にも保証を受けることができる有料オプションに加入でき、万が一に備えたい方はこういった保険を利用するのもひとつの方法です。
保険に加入しておけば、水没・水濡れで修理が必要になった際にも、その修理代を保険会社に補填してもらうことができます。
選ぶサービス内容にもよりますが、自然故障だけでなく事故によるPCの破損も保証の対象に含まれていることが多いため、水没・水濡れに限らずあらゆるリスクに備えたい方にぴったりの対策です。
万が一に備えて定期的にバックアップをとっておくことが大切
水漏れに限らず、起動不良、ウイルス感染などのパソコントラブルはある日突然起こります。 本記事でご説明した通り、突然の水没トラブル時の処置やパソコンの状態によっては大切なデータが消えてしまうという事態も起こり得ます。
万が一のトラブルに備えて、定期的に外付けHDDやUSB、クラウドなどにバックアップを取っておくとよいでしょう。
パソコンのデータのバックアップ方法についてはこちらの記事で解説しております。
>パソコンのデータをバックアップする方法はこちら
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パソコン修理のサポート内容を見る水濡れの対処はパソコン修理店に任せるのがベスト!
水濡れの際にまず行うべき初期対応と、逆に絶対に行ってはいけないNG対応をあわせてご紹介してきましたが、こぼした水分に糖分や塩分が含まれていた場合、基盤にこびりついた成分はPCの内部洗浄を行わなければ取り除くことができません。
単純な水でも放置することで基盤がダメージを受けてしまい、特に腐食などが発生してからでは修理代も高額になってしまいます。
PCの内部洗浄は分解作業も含めて個人で行うには無理があるため、当店のようなパソコン修理店にお任せいただくのがベストです。
当店なら、中のデータの取り出し・復旧・バックアップ等にも必要に応じて対応可能となっております。
初期の応急処置で一旦PCが復活したように見えても、いちど水濡れの被害に遭ったPCはその影響による故障のリスクと常に隣り合わせになっており、実際のところいつ壊れてもおかしくはありません。
何より水没・水濡れの対応はスピード勝負なので、お困りの際は早めにご相談いただくことをおすすめします。
当店では、土日祝日含め年中無休でお客様からのパソコントラブルに対応しております。即日対応も可能となっておりますので、お急ぎの方にもスピーディに対応いたします!パソコン修理は創業20年以上の実績のある当店におまかせ下さい!
ノートパソコンが水没・水濡れした際の修理事例
パソコン修理EXPRESSでは日々、多くのパソコントラブルにまつわるご相談を頂いております。
その中でも、水没・水濡れに関する修理事例の一部をご紹介します。
修理事例1
パソコンが起動せずにお困りのお客様よりご相談があり、水をこぼしてから起動しなくなったとこのことでした。
詳しく診断を行なったところ、確かに水が侵入した形跡があり、電源を入れても複数のランプが点滅するだけで映像信号が何もない状態であることを確認。
裏蓋まで浸水している状況から考えても、メイン基板の液体損傷が原因で起動しない可能性が非常に高いと判断しました。
そこで、USB外付けハードディスクを内蔵ハードディスクに取り付けて内部ユーザーデータのアクセス権解除を行い、別のパソコンからハードディスクにアクセスできるよう処置を実施。
正常にアクセスできることをお客さまと確認をしましたが、ハードディスク自体も水漏れを起こしている可能性があるため、早急にバックアップを取っていただくことをおすすめして作業完了とさせていただきました。
修理時間や金額についての詳細はこちらのページをご確認ください。
修理事例:愛知県名古屋市中川区 ノートパソコンが起動しない/富士通 Windows 7
修理事例2
パソコンのデータ復旧・移行をご希望のお客様からのご相談で、キーボードに飲み物をこぼしてしまったため起動しなくなったとのご相談です。
そこで詳しく検査したところ、いたるところからべたべたしたものが出てきており、腐食は見られませんでしたが通電しない状態でした。
修理は難しい状態のうえハードディスクも濡れていましたが、ハードディスクのコントローラー基盤を分解してアルコールで洗った後に組み戻すと正常に通電し、内部データも見られることが確認できました。
ただし、修理費用の関係で今回はデータ復旧作業の実施には至らなかったため、リサイクル処理のみの対応とさせて頂きました。
事例の詳細についてはこちらの記事をご確認ください。
修理事例:千葉県市川市 ノートパソコンのデータの復旧・移行/東芝 Windows 10
修理事例3
この事例ではキーボードに不具合があるとのことでご相談を頂きました。
お話によると数ヶ月前にキーボードに水をこぼした覚えがあるとのことでしたので、外付けのキーボードを試したところ正常に動作するため、パソコン本体に問題は無いとのことでした。
確かにキーボードのいち部や反応しない・押しっぱなしになるという状態が見られたため、キーボードパネルを交換しました。
その後正常に動作することを確認しました。
修理事例の詳細については以下のページをご確認ください。
修理事例:千葉県市原市 ノートパソコンのキーボード不具合/東芝 Windows 7
このように、水没・水濡れに関する修理のご相談は多々ございます。
もしも同じような症状・トラブルでお困りの際はいつでもお気軽にご相談ください。
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