MacBookのキーボードが反応しない原因は？今すぐできる対処法を紹介｜パソコン修理EXPRESS

西村 敏正
NPO法人ⅠＴ整備士協会 理事

保有資格：パソコン整備士検定／社内IT整備士検定／デジタル庁 デジタル推進委員

2005年4月、パソコン修理関連会社に入社。関西圏を中心に年間1,000件以上のパソコン修理などデジタルトラブル対応を６年間実施。
その後、会員サポート事業の責任者として全国からの様々なIoT機器サポート対応を行うコンタクトセンター事業の立ち上げと運営に従事し、デジタル機器サポートのスキーム構築にも9年間携わる。
また特定非営利活動法人 ＩＴ整備士協会の理事として、中小企業のDX化を促進するため法人向けの新たな資格制度を構築。

MacBook内蔵キーボードが反応しない場合の対処法

MacBook内蔵のキーボードが反応しない場合の対処法を紹介します。
以下の順番で試してみてください。

キーボードが反応しない場合の対処法

なお、紹介する方法の中にはキー操作が必要なものも含まれています。
キーボードすべてが反応しない場合は外付けキーボードをご用意ください。

リコール対象のモデルかどうか確認する

キーボードが正常に動作しない場合は、まず使用しているMacBookがリコール対象のモデルかどうかを確認しましょう。
Apple公式によると、MacBookの一部のモデルにはキーボードの不具合が現れる場合があると報告されています。

リコール対象モデルに起きやすいトラブル

対象のモデルはAppleから修理プログラムが提供されており、無償で修理してもらうことができます。
無償修理プログラムの対象モデル

MacBookのモデルは「アップルメニュー」→「このMacについて」を選択することで確認できます。
無償修理プログラムの申込方法は以下のリンクを参照してください
https://support.apple.com/ja-jp/keyboard-service-program-for-mac-notebooks

なお、無償修理プログラムの適用期間は4年間です。
購入からそれ以上経っている場合は修理費用が必要になります。

MacBookを再起動する

キーボードのトラブルを改善する方法として、まず試したいのが再起動です。
MacBookに限らず、電子機器の多くは再起動することで問題が解決する場合があります。
ただし、繰り返しおこなうのは危険です。
電源のオンオフを繰り返すと、新たな問題に繋がる場合もあります。
再起動を1回試して、それでも改善されない場合は他の方法を試しましょう。

キーボードを掃除する

キーボードにホコリやゴミが溜まると反応が鈍くなったり、全く反応しなくなったりなどトラブルに繋がる場合があります。
キーボードの掃除をおこない、動作の妨げになっているものがないかチェックしましょう。
キーボードの掃除方法はいくつかありますが、Apple公式がおすすめしている方法が安全でおすすめです。
MacBookを傾け、さまざまな角度から1センチほどの距離を空けてエアダスターを吹きかけます。
具体的な方法が知りたい方は以下のリンクを参照してください。
https://support.apple.com/ja-jp/HT205662

また、キーを外して掃除をする方法もありますが、力を入れすぎると破損したり、掃除後に正常な状態に戻せなくなったりなど、全てのキーを掃除するとなると大きなリスクが伴います。
どうしてもエアダスターで取り除くことができないゴミがある場合はプロの業者に頼んだ方が安全です。

スローキー機能をオフにする

スローキー機能とは、キーボードを入力する際に長押しが必要になるオプションです。
この機能がオンになっていると正常な入力ができなくなるので、メニューから確認しましょう。

スローキー機能をオフにする手順

これでスローキー機能をオフにできます。

マウスキー機能をオフにする

マウスキー機能とは、マウス操作で特定のキー入力ができるようになるオプションです。
U,J,K,O,L,7,8,9キーの反応がおかしい場合や、キー入力した時にマウスカーソルが動く場合はこの機能がオンになっている可能性があります。

マウスキー機能をオフにする手順

これでマウスキー機能をオフにできます。

キーボードビューアで確認する

キーボードビューアはパソコン画面にキーボードを表示する機能で、押したキーの色が変わります。
この機能を利用することで、キー入力が正常に伝わっているかどうかを確認でき、故障しているキーを特定できます。

キーボードビューアを表示する手順

キーボードビューアで一部のキーが反応しない場合は、物理的な原因が考えられます。
キーを慎重に外して故障箇所がないか、ゴミが溜まっていないかなどチェックしましょう。

セーフモードで起動する

セーフモードとは、必要最低限のシステムだけでMacBookを起動する機能です。
アプリや拡張機能などを制限して起動することで、キーボードのトラブルを解決できる可能性があります。

セーフモードで起動する手順は利用しているモデルによって違います。
ご利用のMacBookが「Intelプロセッサ搭載モデル」「Appleシリコン搭載モデル」のどちらかを確認した上で以下の手順を試してください。

セーフモードで起動する手順(Intelプロセッサ搭載モデルの場合)

セーフモードで起動する手順(Appleシリコン搭載モデルの場合)

セーフモードでの起動に成功するとログイン画面の右上に「セーフモード」と表示されます。
もし表示されていない場合はもう一度上記の手順を試してください。

セーフモードでキーボードが正常に動作し、通常モードで動かない場合はアプリや拡張機能が原因と考えられます。
直前にインストールした機能がある場合は一度削除してみましょう。

なお、セーフモードを解除したい場合は、いつも通りの手順で再起動をおこなうことで通常モードに戻すことができます。

Apple DiagnosticsでMacBook本体をチェックする

「Apple Diagnostics」はMacBook本体に起きている問題を確認できるツールです。
直接トラブルを解決することはできませんが、キーボード機能に生じている問題を特定するのに役立ちます。

「Apple Diagnostics」の利用方法はモデルによって違います。
ご利用中のMacBookが「Intelプロセッサ搭載モデル」「Appleシリコン搭載モデル」のどちらか確認してください。
また、なるべく問題を正確に確認するために、接続されている機器を最小限にすることをおすすめします。
キーボード、マウス、ディスプレイ、AC電源への接続を残し、それ以外の周辺機器を全て取り外しましょう。

「Apple Diagnostics」の起動手順(Intelプロセッサ搭載モデルの場合)

「Apple Diagnostics」の起動手順(Appleシリコン搭載モデルの場合)

「Apple Diagnostic」を使用した結果「キーボードの修理が必要」と表示されたら物理的に故障している可能性が高いと考えられます。
その場合は自力で直すのが困難なので、プロの修理業者に依頼するのがおすすめです。

NBRAM/PRAM(パラメータRAM)をリセットする

NBRAM/PRAMをリセットすることで音量や画面解像度、時間、起動ディスクなどの設定情報を初期化でき、トラブルの原因が改善する場合があります。

BRAM/PRAMのリセット手順

SMCをリセットする

SMC(システム管理コントローラ)は電源に関するシステムを制御していて、キーボードに直接関係する機能ではありません。
ただ、SMCリセットはMacBookのトラブルを解決する際に用いられる方法の1つなので、一度試してみてください。

SMCのリセット手順

MacBookに接続している外付けキーボードが反応しない場合の対処法

続いて、MacBookの接続している外付けキーボードが反応しない場合の対処法です。
有線キーボードと無線キーボードそれぞれに適した方法を紹介します。

USB接続など有線キーボードの場合

はじめに、使っている外付けキーボードが有線接続の場合のトラブル対処法を紹介します。

有線キーボードのトラブル対処法

それぞれ詳しく紹介します。

USBを抜き差しする

まずはUSBの抜き差しを試してみましょう。
接触不良によるキーボードの誤作動を解決できる可能性があります。
具体的には、USBを一度抜き差ししてみたり、他のUSBポートに差し替えたりなどの方法が有効です。

上記の方法でキーボードが動くようになった場合、接触不良の可能性が考えられます。
エアダスターなどを使ってコネクター部分を掃除し、それでも動作が安定しない場合は修理を依頼しましょう。

他のパソコンに繋いでキーボードが使えるか確認する

他のパソコンに繋いで入力できるか試すことで、問題が生じているのはMacBook本体と外付けキーボードどちらなのか確かめることができます。

他のパソコンに繋いで入力できた場合はMacBook本体の故障が考えられます。プロの修理業者に相談しましょう。
また、他のパソコンに繋いでも動かない場合は外付けキーボード自体の故障が原因です。修理や買い替えを検討してください。

Bluetoothなど無線キーボードの場合

次に、使っている外付けキーボードが無線接続の場合のトラブル対処法を紹介します。

無線キーボードのトラブル対処法

それぞれ詳しく紹介します。

電池残量を確認する

無線キーボードは電池の残量が少なくなると正常に動作しないことがあります。
新しい電池に取り換えてみましょう。

Bluetoothのペアリングを解除して再接続する

キーボードを再接続することでトラブルが解消する可能性があります。
Bluetooth接続を一度解除し、もう一度繋ぎ直してみてください。
また、再接続だけでなくペアリングの解除からおこなうのも有効です。

ペアリングを解除して再接続する方法

他の電子機器にキーボードが接続されていないか確認する

外付けキーボードは基本的に1つの機器にしか接続できないため、他の電子機器に接続されているとMacBookで入力できない場合があります。
周りにある電子機器のBluetoothをオフにして、もう一度キーボードを接続してください。

どうしてもキーボードが直らない場合はプロの修理業者へ相談しよう

この記事では、MacBookのキーボードが反応しない場合の対処法について紹介しました。
ゴミやホコリなど物理的な原因から、パソコン内部の問題まで、さまざまな状況に対処できる方法をまとめているので、ぜひ試してみてください。
また、外付けキーボードの場合についても解説しているので、買い替える前に1度挑戦してみるのをおすすめします。

ただ、もし紹介した方法をすべて試しても解決しなかった場合は、自力で直すのはほぼ不可能です。その場合はプロの修理業者への相談を検討しましょう。

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