セーフモードでWindowsの再起動方法
そういった時のためにセーフモードというWindowsにデフォルトで備わっている機能があります。
今回は、そのセーフモードとは何なのか、そしてセーフモードの使い方やどのようなときにセーフモードを起動すべきかを解説していきます。
NPO法人ⅠT整備士協会 理事
その後、会員サポート事業の責任者として全国からの様々なIoT機器サポート対応を行うコンタクトセンター事業の立ち上げと運営に従事し、デジタル機器サポートのスキーム構築にも9年間携わる。
また特定非営利活動法人 IT整備士協会の理事として、中小企業のDX化を促進するため法人向けの新たな資格制度を構築。
Windowsのセーフモードとは?
パソコンにトラブルや異常が発生した場合
パソコンにトラブルや異常が発生した場合の解決方法の一つとして使われるのが、セーフモードという機能になります。
セーフモードとは、デスクトップPCやノートPCが急に立ち上がらなくなってしまったときや、起動はするものの正常にWindowsが起動しないときに使います。
ある日突然Windowsが強制終了することが多くなったり、操作や処理が極端に重くなったといった異常が発生した場合は、セーフモードで起動すると何事もなかったかのように正常に起動してくれることがあります。
セーフモードは、Windowsの起動に必要な機能を最低限にとどめて起動するということです。
そのため、個人でインストールしたソフトウェアが自動起動したりすることはありません。
もし、セーフモードで正常起動できた場合、トラブルシューティング機能を使って修理したり、怪しいソフトウェアをアンインストールしたりすることで問題を解決することができます。
そのため、異常を感じた場合は、セーフモードで起動して原因を特定できるようになれば、ちょっとしたトラブルが起こっても原因の特定が容易になります。
逆に、異常を感じたまま放ってしまうと、異常を感じた後にインストールしたソフトやドライバが原因なのかが分かりづらくなり、原因特定に時間がかかる恐れがあります。
\ 諦める前に、プロに相談!/
パソコン修理のサポート内容を見るセーフモードの起動方法
Windows2000から2007 (Vista含む) でのセーフモード起動方法
Windows10ではセーフモードの起動方法が変わっており、この方法ではできないようになっています。
Windows10でのセーフモードの起動方法は後程解説します。
Windows2000から2007の場合は、起動する際にF8キーを押すことでブートオプション画面に入ることができ、OSの起動方法などを設定することができるようになっています。
F8キーを使った再起動方法は、まずPCを起動、または再起動したときに現れるWindowsのロゴ画面まで待ちます。
ロゴが表示されたらF8キーを押し続けます。
押しただけでもブートオプション画面を表示できるものもありますが、キーを押すタイミングが難しいので押し続けることを推奨します。
Windowsが起動されずに、黒い画面に文字が表示されている画面が出ていれば成功です。
この画面が表示されればF8キーを離しても問題ありません。
ブートオプション画面が表示されると、項目の中に[セーフモード]があるので、それをキーボードの矢印キーで選択してEnterキーで確定します。
しばらくするとWindowsがセーフモードで起動します。
もしセーフモードでの作業を終了し、再起動・シャットダウンした場合は、次の起動時は通常起動されるので、再度セーフモードで起動したい場合は先ほどと同じ手順で起動してください。
Windows8、8.1、10ではこのF8キーを使った方法ではセーフモードでの起動ができなくなりましたので、Windows8、8.1、10の方は次をご参照ください。
システム構成ユーティリティでセーフモードを起動する方法
msconfigは、Windows2000以降であれば全てのOSに含まれているため、Windows10以前のOSでも起動可能です。
msconfigでの再起動方法を順を追って解説します。
まず、Windowsロゴが描かれたキーとRキーを同時に押します。
すると「ファイル名を指定して実行」というウィンドウが表示されるので、テキスト入力ボックスに「msconfig」と入力してください。
もしくは、スタートボタンを押すと出てくる検索窓に「msconfig」と入力し、「システム構成」を起動し、画面を表示します。
出てきた構成画面にある[ブート]タブを選択します。
その中の[ブートオプション]という項目の中に[セーフブート]とありますので、これにチェックを入れて、[適用]もしくは[OK]をクリックします。
この状態でPCを再起動すると自動的にセーフモードで起動するようになります。
msconfigを使ってセーフモードを起動した場合は、チェックした[セーフブート]のチェックを外さない限り、自動的にセーフモード起動となるので注意しましょう。
シャットダウンコマンドでセーフモードを起動
Windowsロゴが描かれたキーとRを押して、「ファイル名を指定して実行」ウィンドウを表示し、出てきたテキスト入力ボックスに”shutdown /r /o /t 0”と入力し、[OK]をクリックします。
しばらく経つと、起動オプション画面が表示されますので、その中にある[トラブルシューティング]を選択し、[詳細オプション]を選択します。
すると[スタートアップ設定]というものがあるので、それをクリックし、[再起動]をクリックします。
しばらく待つとスタートアップ設定画面に移行するので、キーボードのF4キーを押して、[Enter]キーを押して通常通りログインします。
これでセーフモードでの起動が完了します。
ここで注意しなければならないのが、シャットダウンコマンドを入力したときにログインしていたアカウントのパスワードを入力します。それ以外のパスワードは通らないので注意しましょう。
スタートメニューでセーフモードを起動
スタートメニューからセーフモードを起動するには、Windowsロゴアイコンをクリックし、電源アイコンをクリックします。
その中にある[再起動]をSHIFTキーを押したままクリックします。
しばらく経つと、起動オプション画面が表示されますので、その中にある[トラブルシューティング]を選択し、[詳細オプション]を選択します。
すると[スタートアップ設定]というものがあるので、それをクリックし、[再起動]をクリックします。
しばらく待つとスタートアップ設定画面に移行するので、キーボードのF4キーを押して、[Enter]キーを押して通常通りログインします。
これでセーフモードでの起動が完了します。
Windows設定でセーフモードを起動させる
Windowsロゴの描かれたキーとIキーを同時に押して、Windows設定ウィンドウを表示します。
もしくは、スタートメニューアイコンをクリックしたら出てくる歯車アイコンをクリックします。
出てきたウィンドウの中にある[更新とセキュリティ]をクリックします。
左に表示されているメニューから[回復]をクリックし、[今すぐ再起動する]をクリックします。
しばらく経つと、起動オプション画面が表示されますので、その中にある[トラブルシューティング]を選択し、[詳細オプション]を選択します。
すると[スタートアップ設定]というものがあるので、それをクリックし、[再起動]をクリックします。
しばらく待つとスタートアップ設定画面に移行するので、キーボードのF4キーを押して、[Enter]キーを押して通常通りログインします。
これでセーフモードでの起動が完了します。
パソコンの電源でセーフモードを起動
サインイン画面にすら入れない場合は、これまで紹介した方法ではセーフモードへの移行ができません。
今回の方法は電源ボタンで強制終了させるため、場合によってはOS自体が破損して、パソコンが壊れてしまったりするリスクがあるため、画面が真っ暗な時や、HDDランプが点滅してない時にするといいでしょう。
電源ボタンを使ってセーフモードに入るには、Windowsを起動していた場合、電源ボタンを長押しで強制終了します。
強制終了したら再度電源を入れて、Windowsロゴが表示されて起動準備を行っている間に再度PCを強制終了させます。
この起動と終了をあと2回繰り返します。
すると、Windowsが自動修正モードを起動するので、その画面内にある詳細オプションを選択します。
すると[スタートアップ設定]というものがあるので、それをクリックし、[再起動]をクリックします。
しばらく待つとスタートアップ設定画面に移行するので、キーボードのF4キーを押します。
押したら後は[Enter]キーを押して、Windowsのサインイン画面へと移り、通常通りログインします。
これでセーフモードでの起動が完了します。
\ 諦める前に、プロに相談!/
パソコン修理のサポート内容を見るセーフモードを起動する時と異常の確認
セーフモードの利用方法とパソコンの正常確認
なぜ異常の原因特定を通常起動時ではなく、セーフモードでの起動時に行うには理由があります。
セーフモード時は、最低限の構成でWindowsを起動するため、Windowsが絶対に必要とするソフトウェアしか実行されていません。
本当に最小限なので、ログイン時もPINや顔認証は使えずデスクトップの壁紙も見えません。
つまり、Windowsが起動時に必要としないソフトウェアやプロセスが勝手に起動しないようになっており、ウイルスやマルウェアの特定など、異常の原因特定や対応がやりやすくなるからです。
セーフモードでは問題なく起動できる場合
この場合はインストールしたソフトウェアの問題と想定できます。
原因と思われるソフトウェアをアンインストールすると通常起動で問題なく動作するようになる可能性があります
ある日突然動作が不安定になったりクラッシュするようになった時に修復する手っ取り早い方法が、システム回復です。
システム回復機能を使うと、バックアップが保存された時間のときまで巻き戻すことができます。
ですが、このシステム回復機能は復元ポイントというものを作成しておく必要があります。
復元ポイントとは、Windowsシステムをバックアップしたものをいい、予め、復元ポイントをいくつか作成しておくと、復元ポイントを作成したときの状態までシステムを戻すことができます。
また、ドライバやソフトウェアをインストールした日から調子がおかしくなった場合、そのときにインストールしたものをアンインストールすることで直ることがあります。
また、グラフィックドライバなどのハードウェアドライバが原因の場合、ドライバをアップデートすることで改善される可能性があります。
セーフモードでも起動はできるものの不安定の場合
これはソフトウェアでもなく、ハードウェアの物理的な問題が考えられます。
この場合は、セーフモードでも解決できない可能性の方が高いため、修理店に修理に出すことをお勧めします。
いざというときのためにセーフモードの知識はあった方がよい
セーフモードを使う機会がないということは当然いいことですが、トラブルというのはいつ起きるかわからないものです。
もしトラブルが発生したPCに大事なデータが入っていると焦ってパニックになる可能性もあるため、セーフモードで起動する方法を予め身に着けておくといいでしょう。
また、もし自分でなんとかできない場合は修理店に出すことをオススメします。
当店であれば持ち込みはもちろん、駆けつけ修理も行っておりますので、お気軽にご相談ください。
セーフモードを使用した修理事例
パソコン修理EXPRESSには数多くの修理事例が存在し、中にはセーフモードを使用した事例もありますので、いくつかご紹介します。
修理事例1
パソコンが起動しないというお客様からのご相談で、診断の際にセーフモードを使用しました。
その結果、大量の不要なドライバが存在していることが判明したため、削除しました。
作業後、正常に動作することを確認して作業完了です。
事例についての詳細は以下のページをご確認ください。
修理事例:埼玉県さいたま市岩槻区 ノートパソコンが起動しない/東芝 Windows Vista
修理事例2
パソコンが起動せずお困りのお客様からのご依頼です。
ブルースクリーンが発生してOSが立ち上がらない状態だったため、セーフモードより原因となっているドライバーを削除しました。
その後、ドライバーを再インストールして正常に起動することを確認しました。
事例内容の詳細はこちらのページよりご確認ください。
修理事例:大阪府大阪市住之江区 デスクトップパソコンが起動しない/NEC Windows 10
修理事例3
インターネットに繋がらずにお困りのお客様のご依頼で修理を行なった事例です。
セキュリティーソフトのご動作が原因でしたため、セーフモードでインターネットの疎通確認後、セキュリティーソフトをアンインストールしたところ、正常にインターネットに繋がるようになりました。
事例の詳細についてはこちらのページをご確認ください。
修理事例:広島県呉市 デスクトップパソコンがインターネットにつながらない/NEC Windows 8.1/8
今回紹介した事例以外にもセーフモードを活用した修理事例は存在します。
もしもセーフモードがうまく起動しない等でお困りの方はいつでもお気軽にご相談ください。
-
1【初心者向け】パソコンの初期設定方法と手順を分かりやすくご紹介!
初期設定する前にこれだけは確認しましょう どのOSの初期設定を行う場合でも、あらかじめ確認しておきたい項目がいくつかあります。まずはそのポイントからチェックして
-
2パソコンが黒い画面のまま停止した!Windowsが起動しない原因と対処法を解説
黒い画面トラブルの原因 故障の原因は部品かWindows 「パソコンが黒い画面で固まる」というトラブルが発生してしまう原因には、大きく分けて次の2つがありま
-
3【初心者向け】インターネット接続の設定方法
パソコンを買い替えしたら設定は必要? 同じプロバイダや回線を利用していても設定は必要です パソコンを購入する際、購入店側で初期設定を行ってもらえます。初期設定と
-
4Wi-Fiとパソコンが繋がらない!原因と対処法を解説!
もしかして見落としてるかも?基本として確認したい3項目 ●プロバイダ、回線業者への支払いを忘れていませんか? プロバイダや回線使用料の未納が確認された翌月から、
-
5【Windows】安全にデータ移行する3つの方法を解説します
パソコンのデータ移行をするための3つの方法 新しいパソコンを購入したあと、古いパソコンに保存してあるデータを移行する方法として以下の3つがあります。 ●「Wi