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パソコンのリカバリーとは?初期状態に戻す方法と注意点と手順を解説

更新日:2024年01月11日
パソコンのリカバリーとは?初期状態に戻す方法と注意点と手順を解説
パソコンは使用しているうちに、動作が遅くなってきた、たびたびフリーズするなどの不具合が発生することがあります。
そのような時に、原因だと思われることに対して対処したが解決しない、またはそもそも原因がわからないというような場合、リカバリーをすることで解決することがあります。

リカバリーは、正しい手順で行わないと、事態をさらに悪化させることになりかねません。リカバリーを始める前に手順をしっかり確認すること、必要なデータを保存することが大切です。
監修者:西村 敏正
西村 敏正
NPO法人ⅠT整備士協会 理事
保有資格:パソコン整備士検定/社内IT整備士検定/デジタル庁 デジタル推進委員
2005年4月、パソコン修理関連会社に入社。関西圏を中心に年間1,000件以上のパソコン修理などデジタルトラブル対応を6年間実施。
その後、会員サポート事業の責任者として全国からの様々なIoT機器サポート対応を行うコンタクトセンター事業の立ち上げと運営に従事し、デジタル機器サポートのスキーム構築にも9年間携わる。
また特定非営利活動法人 IT整備士協会の理事として、中小企業のDX化を促進するため法人向けの新たな資格制度を構築。

リカバリーとは

リカバリーとはパソコンを工場出荷時の初期状態に戻すことです。

したがって、購入後に自分がパソコンに保存しているデータはすべて消去されてしまいます。

<リカバリーによって直せるかもしれないこと>

  • インストールしたプログラムによりパソコンの設定が変更されてしまい、戻せなくなった
  • 頻繁にフリーズしたり動作が遅くなったりしている
  • ウィルスに感染してしまい、アンチウイルスソフトでは完全に除去できない状態になっている
  • 誤ってC:ドライブを初期化してしまった

<リカバリーの種類(Windows8/8.1/10)>
・リフレッシュ
主な設定やデータなどを保持したまま、OSを再インストールする方法です。
本格的なリカバリーを行う前に、まずリフレッシュを試してみることをお勧めします。
・システムの復元
問題が発生した前の状態に戻す方法です。
最近インストールしたソフトやドライバーが原因である場合には、この方法をお勧めします。
・リセット(ファイルの削除のみ行う)
ファイルの削除だけを行う方法です。
ウィルスに感染した場合は、こちらの方法をお勧めします。
・リセット(ドライブを完全にクリーンアップする)
完全にパソコンを工場出荷時の初期状態に戻す方法です。
パソコンを破棄する、他人へ譲渡するというような場合には、こちらの方法をお勧めします。

リカバリー前の注意点

リカバリーを始める前に準備しておくことを確認しておきましょう。

リカバリー作業でかかる時間の目安

リカバリーにかかる時間はリカバリーの種類によって異なります。
リフレッシュや、システムの復元などの場合は、2~3時間、リセット・ファイルの削除のみ行う場合には、削除するファイルの量に応じて、さらに時間がかかります。
「リセット・ドライブを完全にクリーンアップする」を行う場合には、半日以上かかります。
パソコンの状態や性能によってリカバリーの進行速度(次の画面が表示されるまでの時間の長さ)も異なります。

また、リカバリーの手順を確認しながら行う場合、手順の確認にかかる時間も、個人によって異なります。
したがって一概にリカバリー作業でかかる時間の目安を出すことはできません。
最低でも2時間以上、作業の内容や進行の度合いによっては半日以上かかると考えてください。

リカバリーの作業は始めてしまうと途中で止めることはできません。
リカバリーが完了しない状態で電源を落としてしまうと、さらにパソコンの動作に不具合が生じてしまうこともあります。
そのため、時間に余裕がある状態でリカバリーを行いましょう。
また、ご自身で行うのに自信がない場合はパソコン修理店へご相談頂くことをお勧めします。

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リカバリーで消えるデータ

リカバリーを行うことで、以下のデータが消えてしまいます。

  • 自分で作成し保存したデータ
    文書、写真、映像など全て
  • 購入後にインストールしたソフト
    ワードやエクセル、セキュリテイソフトなど全て
  • 購入後に行ったソフトのアップグレード
    OSをアップグレードしていた場合は、OSもアップグレード前の状態に戻ります。

パソコンを工場出荷時の初期状態に戻すため、基本的にデータ類は消えてしまうため、以下のようなバックアップを行う事をおすすめします。

  • 自分が保存したデータ
    パソコンが動く状態であれば、データを保存します。
  • 再インストールの準備
    ソフトに関しては再インストールが必要になりますので、必要なディスク、インターネットからアップグレードした場合にはパスワードや認証番号などを用意しておきます。
  • IDやパスワード
    パソコンに記憶させているインターネット上でログインに必要なIDやパスワードをメモしておきます。
  • 周辺機器
    プリンター、外付けハードディスクなど、購入後に追加した周辺機器を取り外します。
  • メディア
    CDやDVDなど、リカバリーに必要のないメディアは取り出しておきます。

リカバリーの方法

リカバリーには2種類の方法がありますが、OSやメーカーによって細かい点が異なります。

リカバリーメディア(回復ドライブ)を使用する方法

リカバリーメディアを使ってリカバリーする方法です。
リカバリーメディアとはリカバリーを行うためのデータが収録されているメディアのことです。

パソコン購入時に付属されている場合と、購入後にハードディスク上のリカバリー領域にあるデータをCDやUSBメモリーなどの記録メディアに読み込んで自分で作成する場合があります。
ハードディスクが故障すると、リカバリー領域が読めなくなってしまう恐れがある為、パソコン購入後にリカバリーメディアを作成しておくと安心です。リカバリーメディアの作成方法は「リカバリーディスクの作り方と緊急時の入手方法」をご覧ください。

ただし、パソコンのメーカーによっては、回復ドライブを接続しても「オプションの選択」 画面が表示されないことがあります。

そのような場合には、指定されたキーを指定された方法(連打する、1回押すなど)で打ち、BIOS → BOOT MENUの画面を出す必要があります。

リカバリーメディア(回復ドライブ)を使用する方法でリカバリーを行う場合には、購入時に付属されていた説明書やメーカーのサイトで、回復ドライブを接続する為の方法を確認してください。

ここでは、回復ドライブを接続後、「オプションの選択」画面が出る場合の方法をご紹介します。

1. 回復ドライブを接続し、PC の電源を入れると、「オプションの選択」という画面が出ますので、「トラブルシューティング」 を選択します。
2.「トラブルシューティング」の中から「詳細オプション」を選択します。
3.「詳細オプション」の中から、目的に合った項目を選択します。
(1)「システムの復元」
システムの復元ポイントから復元します。
(2)「この PC を初期状態に戻す」→個人用ファイルを保持
個人用ファイルは保持され、アプリやドライバーは削除された後、Windows 10 が再インストールされます。
(3)「この PC を初期状態に戻す」→すべて削除
個人用ファイル、アプリ、ドライバーなど全てが削除された後、Windows 10 が再インストールされます。

リカバリー領域を使用する方法

ハードディスク上のリカバリー領域にあるデータを使ってリカバリーする方法です。
リカバリーメディアを使うよりも、リカバリー時間を短縮できますが、ハードディスクの故障でリカバリー領域が破損していると、この方法ではリカバリーできません。

≪リカバリーの手順(Windows8/8.1/10)≫
1. スタート画面から「設定」を選ぶと出てくる項目の中から「更新とセキュリティ」を選択します。
2. 「更新とセキュリティ」で表示される項目の中から「回復」を選択すると、「このPCを初期状態に戻す」という項目が出てくるので、「開始する」をクリックします。
3. 「開始する」をクリックすると3つの項目が表示されるので、目的に合わせて選択します。
(1)「個人用ファイルを保持する」
リフレッシュする場合はこの項目を選びます。
・「お使いのアプリは削除されます」の次に出ている「このPCを初期状態に戻す準備ができました」という画面で、「初期状態に戻す」をクリックします。
・しばらくすると「Windowsを再インストールしています」という画面に切り替わります。
(2)「すべて削除する」
個人用のファイル、アプリ、設定など全てを削除する場合はこの項目を選びます。
「ドライブのクリーニングも実行しますか?」という画面になり、2つの項目が表示されます。
・「ファイルの削除のみ行う」
リカバリー後も自分で使い続ける場合はこちらの項目を選びます。
・「ファイルを削除してドライブのクリーニングを行う」
削除したファイルが復元しにくくなるので、リサイクルする場合はこちらの項目を選びます。
(3)「出荷時の設定に戻す」
すべて削除したうえでドライブのクリーニングを行いWindowsを再インストールする場合にはこの項目を選びます。(③「すべて削除する」と同じです)
≪リカバリーの手順(Windows7)≫
1. スタート画面からコントロールパネルに進みます。
2. コントロールパネルの中にある「システムとセキュリティ」を選択します。
3.「システムとセキュリティ」の中にある「バックアップと復元」を選択します。
4.「バックアップと復元」の中にある「システム設定またはコンピューターの回復」を選択します。
5.「システム設定またはコンピューターの回復」の中にある「高度な回復方法」を選択します。
6.「高度な回復方法」の中にある「コンピューターを出荷時の状態に戻す」を選択し、画面右下の「スキップ」をクリックし、次の画面で再起動をかけます。
7. 再起動後、「「Windows 7再セットアップ」画面になり、いくつかの項目が表示されますので、「再セットアップ」を選択します。
8. パソコン内で作業が進むまで待ちます。
9.「パソコンを再起動します。」という画面が表示されたら、「再起動」を選択します。

≪ご注意≫
リカバリーの方法はWindows10、Windows8、Windows7、Vista、XP などOSだけではなく、DELLやNEC、富士通などメーカーによっても、方法が異なります。お使いのパソコンに付属していた説明書の指示に従って行ってください。
不安がある場合には、パソコン修理店に依頼すると確実かつ短時間でリカバリー可能です。

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リカバリー後に行うこと

パソコンの初期設定

メーカーのロゴが表示された後、アカウントを設定する画面に変わりますので、指示に従って設定します。

インターネット接続やカスタマイズは初期設定後にもできるので、スキップし、「簡単設定を使う」を選択し、ユーザー名とパスワードを入力してアカウントを作成します。

インターネットの初期設定

  • インターネット接続の準備 有線LANでインターネット接続する場合は、有線LANケーブルを接続、無線LANで接続する場合は接続の為の環境を準備します。
  • Windows ファイアウォールを有効化にします。
  • インターネット接続の為の初期設定をします。

過去利用していたアプリケーションやドライバーの再インストール

  • セキュリティ対策ソフト
  • パソコンにもともと入っていたドライバーやアプリケーション
    メーカーのサイトから必要なアプリケーションやドライバーをダウンロード→インストール→アップデート
  • Windows ユニバーサルアプリ
    「スタート」→「Microsoft Store」に進み、画面右上にある…をクリックすると表示されるタブの中から、「ダウンロードと更新」を選択し、「最新情報を取得する」をクリックします。

オフィスのディスクを失くしてしまった!そんな場合は?

Microsoft Officeがプレインストールされていた場合や、オフィスのディスクを失くしてしまった場合、Microsoftのアカウントページにサインインしてインストールをクリックすると、再インストールすることができます。

パスワードを忘れてMicrosoftのアカウントページにサインインできない場合には、マイクロソフトのWebページ(https://account.live.com/password/reset)にアクセスして、パスワードをリセットします。

リカバリーは最後の手段

パソコンの調子が悪くなった時には、始めに原因を特定し、特定できない場合にはシステムの復元、次にリフレッシュを行いましょう。

リカバリーはリカバリーそのものに時間がかかることに加えて、リカバリーの為の準備やリカバリー後に行う作業も多く、手間がかかるからです。

リカバリーしないで済めばそれに越したことはないので、まずシステムの復元を行い、事態が改善しない場合にはリフレッシュから始めることをお勧めします。

それでも解決しない場合やリサイクルする場合には、工場出荷時に戻す本格的なリカバリーを行いましょう。

リカバリーの作業は始めてしまうと中断することができません。

準備しなくてはならないことをしっかり確認した上でOSやパソコンメーカーに適応する作業を始めましょう。

リカバリーの準備や方法に完全に理解できない部分があるというような場合には、無理をしないで、パソコン修理店に依頼するという選択肢もあります。
当店は365日年中無休でお客様からのご相談やパソコン修理のご依頼に対応しております。専門用語は使わずわかり易い言葉で丁寧にご説明させていただきますので、お気軽にご相談下さい。

リカバリーを行なった修理事例

パソコン修理EXPRESSではパソコン周りに関する様々なご相談を頂いており、その中でリカバリーを行なった事例もございます。

今回は、リカバリーを行なった事例の一部をご紹介します。

修理事例1

パソコンの電源がすぐに切れてしまうという症状でお困りの方よりご相談頂いた事例です。

お伺いしたお話によると、半年くらい前に一度、パソコンを落としてしまった事があるため、それが原因ではないか、とのことでした。

そこでパソコンを詳しく診断した結果、ハードディスクが故障しているため、起動しない状態であることが判明。

そのため故障しているハードディスクをSSDに交換し、リカバリーを行なった後、Office認証やアップデート作業を行いました。

修理事例の詳細は以下のページにてご確認ください。

修理事例:神奈川県海老名市 ノートパソコンの電源がすぐに切れる/東芝 Windows 8.1/8

修理事例2

パソコンが起動せずにお困りのお客様よりご相談頂いた際の事例です。

診断した結果、OSとデータの破損が原因で起動しない事が判明しました。

お客様のご希望としてデータは必要ないとのことでしたので、リカバリーを行い正常に起動することを確認。

その他、初期設定を行いました。

修理事例の詳細は以下のページを御覧ください。

修理事例:大阪府摂津市 デスクトップパソコンが起動しない/HP(ヒューレット・パッカード) Windows 10

修理事例3

起動系トラブルでご相談頂いた際の事例です。

半年ほど前から起動が遅く、自動修復の画面になって起動ができない症状が出ているとのお話でした。

そこで診断した結果、システムファイル不良のため、リカバリーが必要な状態でした。

今回はUSBリカバリーメディアを使用しリカバリーを実施、その他初期設定を行いました。

修理事例の詳細は以下のページでご紹介しています。

修理事例:埼玉県所沢市 ノートパソコンが起動しない/DELL(デル) Windows 10

このように、修理事例の中でもリカバリーを行い修理する事例も少なくありません。
もちろん注意点やリカバリー後に行うこともあるため、自分でリカバリーする自信が無い方はもちろん、事例と同じような症状・トラブルでお困りの方はいつでもお気軽にご相談ください。

 

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