Chromebookを初期化する方法!初期化は必要?
NPO法人ⅠT整備士協会 理事
その後、会員サポート事業の責任者として全国からの様々なIoT機器サポート対応を行うコンタクトセンター事業の立ち上げと運営に従事し、デジタル機器サポートのスキーム構築にも9年間携わる。
また特定非営利活動法人 IT整備士協会の理事として、中小企業のDX化を促進するため法人向けの新たな資格制度を構築。
Chromebook を初期化する前に
Chromebookを初期化する前に、準備すべきことがあります。初期化してしまうと、良くも悪くも取り返しはつきません。勢いで初期化してしまう前に、ここでご紹介する方法を実践してください。
初期化が必要かどうかを確認する
そもそも、本当に初期化が必要かどうか最初に確認する必要があります。初期化はパソコンに多少なりとも負担がかかり、また設定や中のデータもすべて初期状態に戻ってしまいます。初期化せずに済むのであればその方が良いでしょう。
動画視聴などプライベートな用途のみで使用している場合は見切り発車で初期化してしまっても問題ないかと思いますが。Chromebookで仕事など重要な作業を行っている場合は特に初期化にはある程度慎重になることをおすすめします。
具体的に初期化が必要な場面としては以下が考えられます。あくまでも一例ですが、初期化を考える人の多くは該当するかと思います。
ウイルスに感染した
ウイルスの個別的な削除が難しい場合は、パソコン全体を初期状態へリセットしてしまうことが有効です。
システムファイルを削除したOSの重要なシステムファイルを誤って削除してしまった場合起動できなくなったり正常に動作しなくなったりしますが、初期化とOSの再インストールによって正常な状態に戻すことができます。
パソコンが正常に動作しなくなった
動作不良の原因が特定できる場合は症状に合った対応をおこないますが、特定が難しい場合はパソコン全体を初期状態へリセットしてしまうことが有効です。
パソコンの動作が重くなった
パソコンは利用を続けるうちに次第に重くなってきますが、原因を特定することは困難です。原因の特定が難しい場合は、パソコン全体を初期状態へリセットしてしまうことが有効です。
パソコンを売却・または処分するとき
初期化によってパソコン内のデータも消去されます。ただし復元ツールなどを利用することでアクセスはできるため、データを完全に削除するためには専用のツールや記憶媒体の物理的な破壊が必要である点には注意が必要です。
ファイルをバックアップする
初期化すると、設定、アプリ、ファイルなど、Chromebook のハードディスクにある情報がすべて消去されます。そのため、初期化が必要と判断した場合バックアップを取ってから初期化することをおすすめします。そしてChromebookはこのバックアップに強みがあります。
Googleのサービスは基本的にオンライン上にデータを保存していきます。Chromebookの場合はパソコンのOSごとGoogleのサービスなので、オンラインストレージ上に自動でバックアップを取っていく設定が可能です。
それぞれバックアップ先が決まっていて、具体的には以下のようになっています。
設定 | Chromeブラウザ | Googleアカウント |
---|---|---|
テーマと壁紙 | Chromeブラウザ | Googleアカウント |
開いているタブ | Chromeブラウザ | Googleアカウント |
パスワード | Chromeブラウザ | Googleアカウント |
住所、電話番号など | Chromeブラウザ | Googleアカウント |
Google Pay のお支払い方法と住所 | Chromeブラウザ | Googleアカウント |
Google スプレッドシートなどのデータ | – | Google Drive |
Chromebookの設定データ | Chrome OS | Googleアカウント |
Androidアプリ | – | – |
ダウンロードフォルダの中身 | Chromeブラウザ | – |
Linuxベータの復元データ | Chrome OS | – |
ほとんどすべてのデータがGoogleアカウントに自動的にバックアップされているので、概ねそのまま復元できます。ただし逆に言えば上記以外のデータはバックアップが取れていません。オンラインストレージや、物理的なハードウェアにバックアップを取る必要があります。
バックアップを取ると言っても難しい話ではなく、データを移行しておけば良いでしょう。上記のようなデータはもともとバックアップできているので、追加でバックアップが必要な分は自分でデータを移行しておくということです。
ただし設定によっては上記のバックアップが外れている可能性もあるので、設定を確認し、バックアップがきちんと取れているかどうかはあらかじめ確認しておくことをおすすめします。
Chromebookの初期化方法
Chromebookを初期化する手順は以下です。ただし端末によって微妙に異なるので、大まかな目安としてください。
設定から初期化
設定からの初期化はもっとも一般的な初期化の方法でしょう。とはいえ最初の入り口が異なるだけで、途中からはどの方法で初期化をしてもだいたい流れは同じです。
- 接続されている周辺機器や外付けストレージ、USBメモリ、SDカードなどは、すべて取り外してください。ACアダプタをパソコンに接続してください。
- 画面右下の時刻をクリックします。
- 「ログアウト」をクリックします。
- ログイン画面が表示されたら、CtrlキーとAltキーとShiftキーを押しながら、Rキーを押します。
- 「このChromebookをリセットします」と表示されます。「再起動」ボタンをクリックします。
- 再起動後、もう一度、「このChromebookをリセットします」と表示されます。「Powerwash」ボタンをクリックします。
- 「Powerwashの実行を確認」と表示されます。「続行」ボタンをクリックします。
- リセットが開始されます。そのまま、しばらく待ちます。
- リセットが完了すると、「Chromebookへようこそ」と表示されます。表示される画面に従って、Chromebookをセットアップします。
以上でChromebookの初期化は完了です。いったん初期状態になるので、バックアップから復元を行います。
ショートカットキーから初期化
Chromebookをショートカットキーから初期化する流れは以下です。
- Chromebook からログアウトします。
- Ctrl+Alt+Shift+R キーを長押しすると、Chromebookデバイスのリセット画面が出ます。
- 「再起動」 ボタンを選択します。
- 表示されるボックスで 「Powerwash」 をクリックしてから 「次へ」 を選択します。
- 画面に従って初期化を完了します。
詳細な流れは設定から初期化する場合と同じなので、省略しています。
Chrome OSが起動しない場合の初期化
Chromebookにトラブルが生じている場合、そもそもOSが起動しないこともあるでしょう。そんなときでも初期化は可能です。具体的な流れは以下のようになっています。
- Chromebookの電源を切ります。
- Escキーと更新(F3にあたる場所)キーを押しながら、Chromebookの電源を入れます。
- Chromebookが開発者モードとして開きます。OS認証をオフにする為にCtrl + Dキーを同時に押します。
- OS認証をオフにする画面が現れたら、Enterキーを押すとChromebookは再起動します。その後OS認証がオフのスクリーンが表示されます。
- OS認証がオフのスクリーンでは、約15秒後復元プロセスが自動的にスタートします。(スペースバーは押さないでください。)
- 復元プロセスは約5分かかります。スクリーン上部に進捗バーが表示されます。復元プロセスが完了後自動的に再起動します。
- Chromebookが再起動された後、OS認証を再度有効にするよう求められます。
- OS認証を有効にする事を確認しEnterキーを押します。
- OS認証は有効になりChromebookは自動的に再起動します。
- 「Chromebookへようこそ」画面が表示された後、スクリーンの指示に従い操作します。これでChromebookは工場出荷時状態の設定に戻ります。
以上の流れでChrome OSが起動しない場合でもChromebookを初期化できます。
Chromebookを便利に初期化するために
Chromebookの初期化方法について解説しましたが、上で挙げた通り初期化前にChromebookが起動しないケースもありえます。起動しなかった場合、バックアップを取るのが難しいということです。中のデータを取り出せないまま初期化することになると困る方もいるでしょう。
パソコンはいつ起動できなくなるかわからないので、普段からバックアップを取っておいた方が良いです。普段からバックアップを取っておけば、いざというときの初期化がスムーズです。しかしバックアップを取るのが面倒、忘れる、という方も多いでしょう。
そこでおすすめなのは、いずれ初期化するかもしれないということを見越してバックアップの設定をしておくことです。上でご紹介した通りChromebookは自動でバックアップできる部分が多いのできちんと設定しておくことをおすすめします。
またChromebookで自動バックアップが取れない部分のデータは、別で自動バックアップの仕組みを作っておくと良いです。バックアップ先は外付けハードウェアなどよりはオンラインストレージの方がおすすめです。ソフトを使用すればオンラインストレージに自動バックアップが取れるようになるので、設定しておくのがおすすめです。
事前にバックアップの仕組みを作れればそれがベストですが、すでにパソコンに不具合が生じていてバックアップの仕組みを作れない方もいるかもしれません。バックアップを取れなくて初期化できないという状況になっている方は、自力で対処するよりもパソコン修理業者に依頼することをおすすめします。
パソコンの中に大事なデータが入っている方は特に、不具合が生じた場合はパソコン修理業者に依頼した方が良いかと思います。
Googleドライブの容量
ChromebookはGoogleに自動バックアップを取ることが可能ですが、Googleドライブの容量には上限があります。まず無料アカウントの場合、Googleドライブの容量は15GBです。15GBで容量が足りない場合、プランを変更することも可能です。
個人向けサービスでは100GB、200GB、2TBのプランがあります。費用は年額でそれぞれ、2,500円、3,800円、13,000円となっています。バックアップしたい容量が少ない方は無料で十分ですが、容量をオーバーする場合は追加が必要です。
ただしお金がかかってしまうので、重要な部分のみをGoogleドライブで自動バックアップ、その他の部分は外付けハードに自動でバックアップするか定期的にバックアップを自分で取る、といった形でも良いかもしれません。
パソコンの不具合にはパソコン修理EXPRESSがおすすめ
今回ご紹介した流れでChromebookを初期化できます。しかし、初期化はしたもののパソコン本体の動きが悪かったり、初期化した後に動かなくなったりしてしまうようなケースもゼロではありません。初期化して動かなくなるというと怖いと思われるかもしれませんが、これはもともとパソコン本体が劣化しているケースの話です。
基本的には初期化することで、パソコンを初期状態で利用できるようになります。もしも初期化後にトラブルが発生した、もしくはそもそも初期化できない、といった場合はパソコン修理EXPRESSにご相談ください。
パソコン修理EXPRESSは、メーカー問わずすべてのパソコントラブルに対応しています。最短で即日の駆けつけ・修理対応が可能です。作業前にお見積りをご提示するので、不当な料金を請求することがありません。
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